患者対応について

診療所・病院はまさにサービス業であるとの認識が必要です。
小売業、サービス業などの事業にとって、多くのお客様に来ていただくのがもっとも重要なのと同様に、病院・診療所にとっても、多くの患者様に来ていただくことが重要です。
そのためには、医療水準が高く、診察も丁寧親切であること、スタッフが明るく、患者の方への対応も良いことが必要です。
ところで、患者の方にもいろいろのタイプがあり、診察した医師、看護師、レントゲン技師、受付などのスタッフとの間でトラブルが発生することも、時々あります。
病院・診療所にとって、地域住民の評価はとても重要で、特に患者として通院や入院する立場からすると、こと健康といえば、誰しも大きな関心事であるだけに、良い評価も、悪い評価も、一般の小売業・サービス業以上に広まりやすく、特に悪評がどんどん伝わると、回復しがたい結果につながると思います。
トラブルは多種多様ですが、深刻なものは、診察ミスなど医療サービスを提供する過程で起きるトラブルです。重い病気があったのにこれを見落とした、注射の副作用で容体が急変した、手術ミスがありその後症状が悪化したというようなものです。担当医師や看護師への責任追及に発展することもあります。
また、薬の処方ミスも時々あり、間違えた内容如何では重大な結果をもたらします。
患者本人、あるいはそのご家族からの面談の申し入れがあった時の対応については、慎重な準備、心構えが必要です。初期対応を誤ると、事態が深刻になりかねません。
患者トラブル対応を弁護士に任せるメリット

病院・診療所に非がない場合でも、高圧的な態度を取ることは良くない結果になりがちです。非がありそうな場合は、なおさら慎重に、冷静、誠実且つ丁寧に対応すべきです。
ひとまず、患者側がどのようなことを訴えているのかを正確に聴き取り、具体的な要求・要望を確認することが大切です。
多くの場合は、診療所・病院の院長・事務長の対応により、解決可能かと思いますが、かなり手慣れたクレーマーの場合、院長・事務長が対応しきることは難しく、時間的にも精神的にも大きな負担となります。
そのような場合には、交渉やトラブル解決について豊富な経験を持つ弁護士に委ねたほうが精神的に楽ですし、妥当な解決が期待できます。
患者トラブル例
とんでもないモンスター級のクレーマーも、希にはいます。もちろん、クレーマーにとどまらず、身体的あるいは物的な加害行為に及ぶ危険性がある場合は、すぐに警察への相談、対応をお願いする必要があります。過去においては、岐阜県で歯科医師と事務長が殺害された事例もあるので、相手方の危険度の見極めは大切です。
院長への法的・精神的サポートをいたします。

顧問契約を結んでいただくと、日常的に発生する法的問題について、気軽にご相談いただけ、迅速なご回答をさせていただきます。
また、診療所・病院での理事会や経営会議などに参加させていただき、法律上の問題だけではなく、経営上の問題や課題などについても意見を述べさせていただきます。現在、ある病院では約15年にわたり、毎月理事会に出席し、各方面にわたる意見・情報提供をして、院長への法的・精神的サポートをさせていただいています。
患者トラブルコラム
以下で、病院・診療所において発生するトラブルに関して、簡単にお話させていただきます。
一番大変なトラブルとしては、診察ミスなど医療サービスを提供する過程で起きるものです。
重い病気があったのにこれを見落としたとか、注射の副作用で容体が急変したとか、手術ミスがありその後症状が悪化したような場合です。担当医師や看護師への責任追及に発展することもあります。また、私も経験したことがありますが、薬の処方ミスも間違えた内容如何では重大な結果をもたらします。
患者本人、あるいはそのご家族からの面談の申し入れがあった時の対応については、慎重な準備、心構えが必要です。初期対応を誤ると、事態が深刻になりかねません。
担当医師に、全く非がない場合、非がある場合、グレーゾーンの場合で、対応の仕方は全く異なりますので、それぞれの場合にどのような対応をしたらよいかについて、病院・診療所でマニュアル化しておくと良いです。このような場合、いろいろな紛争を経験している弁護士などの専門家に相談してマニュアルを作っておくと安心です。
ただ、病院・診療所に全く非がない場合でも、けんもほろろな態度を取ることは、後で良くない結果になりがちです。失礼で、威圧的な言動があった場合でも、なるべく冷静になって、誠実且つ丁寧に対応した方が良いと思います。
ひとまず、患者側がどのようなことを訴えているのかを正確に聴き取り、具体的な要求・要望を確認することが大切です。聴き取りした結果については、その件の当事者や関係者から説明を聞き、その周囲の証人的な人からも事情を聴き取り、正しい事実関係を把握していただきたいです。
ところで、クレーマーの中には、かなり手慣れた人の場合、恐喝や脅迫で罪に問われることを警戒して、とにかく「誠意を見せろ。」とか、「そちらでどうしたら良いか考えろ。」と言ってくる場合があります。
このような場合でも、こちらとしては根気よく、「こちらもどうすれば分からないので、是非具体的に請求・要求を聞かせて欲しい。」と粘って下さい。
対応も、大変な仕事なので、一事務員に丸投げして、適当に処理するよう姿勢も、適切とは言えません。
病院・診療所に非がある場合には、どうしても責任は認めたくないという心理が働きがちで、頭から「当方には一切責任がない」という強硬な姿勢を取ることがよく見られます。医師と患者では、医学的知識について圧倒的な差があるため、責任を否定して、そのまま乗り切ってしまえることも、ままあるかと思います。裁判を提起しても、医師や病院・診療所が、本当は過失があると思われるケースでも、患者側が負けることは、少なくないように思います。
ただ、明らかに過失があると思われる場合は、相手によっては早々に低姿勢で謝罪をした方が、早く妥当な内容で示談ができ、余分な時間や費用を掛けなくて済むと考えられます。
もっとも、過失がないとは思われても、患者側が執拗で、どのように説明しても受け入れそうもなく、対応に時間・コスト・精神的負担を伴う場合であって、要求内容・金額が過大でない時は、総合的に考えて、妥協してきちんとした示談書・合意書を作成して、けりを付けることもあり得ます。ただ、このようなケースでは、これで完全に解決できるのかという見極めが難しく、専門家の意見を聴くことが必要と考えられます。
とんでもないモンスター級のクレーマーも、希にはいます。もちろん、クレーマーにとどまらず、身体的、あるいは物的な加害行為に及ぶ危険性がある場合は、すぐに警察への相談、対応をお願いする必要があります。過去においては岐阜県で、歯科医師、事務長が殺害された事例もあるので、相手方の危険度の見極めは大切です。
直接の危害は加えないが、犯罪すれすれの嫌がらせをするクレーマーへの対応は、別の意味で対応が難しいです。内容証明郵便で警告する書面を送っても、嫌がらせが止まらなかったケースがあり、やむを得ず、病院・診療所への立ち入り、面談・電話などでの要求を止めさせるための裁判手続きをして、解決したことがあります。